症状固定
労働災害発生から解決までの流れ
労働災害発生から解決までの流れをフローチャートとしたものが以下のとおりです。
症状固定後の対応
症状固定とは、これ以上治療を行っても症状が改善しない状態に至ったことをいいます。症状固定とは、完治を意味するわけではありません。
労働災害の被災者が、主治医から症状固定時期を伝えられた場合には、痛みやしびれや可動域制限等の後遺障害が残っているかどうかを確認していただき、なおも残存するのであれば、障害補償給付支給請求(後遺障害申請)をすることになります。
なお、主治医は、治療の専門家ではあっても、必ずしも後遺障害認定の専門家ではありません。すなわち、主治医が作成する後遺障害診断書は、被災者の後遺障害の内容や等級に関し、必ずしも正確に記載されているとは限らないといえます。
一例を挙げれば、被災者は、労働災害によって手指の可動域が制限されているにもかかわらず、主治医が後遺障害等級の認定実務に詳しくないために、手指の可動域を測定しなかった結果、後遺障害等級が認定されないということが起こり得ます。
労働災害では、後遺障害等級が1級異なっただけで、損害賠償額が数百万円から数千万円まで異なることもあり得ます。
適切な後遺障害等級が認定されることは、被災者やその遺族が適切な損害賠償額を認定されるために必要であり、特に慎重に検討しなければなりません。