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労災事故で適正な慰謝料を受け取るために知っておくべきこと

労災事故で適正な慰謝料を受け取るために知っておくべきこと

はじめに

労災事故に遭われた方やそのご家族にとって、適正な慰謝料を受け取ることは重要です。慰謝料の相場や増額の可能性、そして正しい請求方法を理解しておかないと、十分な補償を受けることが難しくなるかもしれません。本稿では、労災事故に関する慰謝料の基本的な考え方や相場、そして慰謝料を増額する方法について解説します。

Q&A

Q1: 労災事故の慰謝料とは何ですか?

A1: 労災事故の慰謝料とは、労働者が業務中に負ったケガや精神的な苦痛に対して支払われる損害賠償金のことです。これは、労働者が業務に従事する中で受けた身体的・精神的な被害に対する補償として、会社に対して請求することができます。特に死亡事故や後遺症が残った場合においては、慰謝料が重要な損害項目を構成します。

Q2: 労災事故が発生した場合、会社は適切な慰謝料を支払う義務がありますか?

A2: 労災事故が発生した場合、会社に安全配慮義務違反が認められる場合には、被災者に対して適切な慰謝料を支払う義務があります。もっとも、安全配慮義務違反の有無をめぐり、会社が自発的に適正な慰謝料を支払うケースは多くはありません。会社としても、安全配慮義務違反がないと考えられる場合や、被災者にも落ち度があると考える場合には、可能な限り支払いを少なく抑えようとします。そのため、被災者は弁護士を通じて、適切な慰謝料を請求することもご検討ください。

Q3: 労災事故の慰謝料はどのように計算されますか?

A3: 労災事故の慰謝料は、過去の裁判例に基づいて相場が決まります。過去の裁判例を踏まえて慰謝料の基準を整理した文献として、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)がありますが、実務ではこの文献に基づいて算定する傾向にあります。

被災者が死亡した場合や後遺症が残った場合など、事故の具体的な状況によって異なります。特に、被災者の家庭内での役割や社会的地位が考慮され、支払われる金額が決定されます。

Q4: 慰謝料はどのような場合に増額されますか?

A4: 慰謝料は、被災者の精神的苦痛が特に大きい場合や、特別な事情がある場合に増額される可能性があります。例えば、会社の重大な過失が原因で事故が発生した場合や、被災者が事故によって深刻な生活上の影響を受けた場合などが該当します。

Q5: 慰謝料を増額するためにはどのような手続きが必要ですか?

A5: 慰謝料を増額するためには、被災者側が増額の根拠となる事実を主張し、証拠を揃える必要があります。このプロセスは複雑なため、弁護士のサポートを受けることもご検討ください。

労災事故の慰謝料請求とは?

労災事故とは、労働者が業務中に負傷、疾病、障害、あるいは死亡することを指します。これにより、労働者は身体的な損傷や精神的な苦痛を受けることがあり、その補償として会社に対して慰謝料を請求することが可能です。労災事故には、業務中の事故である「業務災害」と通勤中の事故である「通勤災害」がありますが、ここでは主に業務災害について取り上げます。

業務災害が労災として認定されるためには、以下の2つの基準を満たす必要があります。

  1. 業務遂行性:労働者が使用者の支配下で業務を行っている状態。
  2. 業務起因性:業務に内在する危険性が現実化し、業務と死傷病との間に一定の因果関係があること。

これらの基準が満たされると、労働者は労働者災害補償保険法に基づいて補償を受けることができますが、労災保険の給付だけでは全ての損害をカバーすることはできません。そのため、精神的な損害や逸失利益を補償するために、会社に対して慰謝料を請求することが必要となります。

慰謝料の相場と増額事由

死亡慰謝料の相場

労災事故で被災者が死亡した場合、遺族は以下のような損害項目を請求することができます。

  • 葬儀費用:葬儀にかかる費用を請求できます。
  • 死亡逸失利益:被災者が将来得るはずであった収入の喪失分を補填するものです。
  • 死亡慰謝料:被災者の家庭内での役割に応じて金額が異なります。

死亡慰謝料の相場は以下の通りです。

  • 被災者が一家の支柱であった場合:慰謝料の相場は約2800万円です。被災者が家庭の主要な収入源であった場合、遺族が受ける経済的・精神的損失が大きいため、慰謝料も高額になります。
  • 被災者が母親や配偶者であった場合:慰謝料の相場は約2500万円です。家庭内で重要な役割を果たしていた母親や配偶者の場合、家族に対する精神的苦痛が大きいため、このような金額が支払われます。
  • 被災者がその他の家族であった場合:慰謝料の相場は2000万円から2500万円となります。例えば、独身の男女や子供、幼児などが該当し、家庭内での経済的依存度や精神的な影響に応じて金額が決定されます。

後遺症慰謝料の相場

労災事故によって後遺症が残った場合、後遺障害等級に応じた慰謝料が支払われます。後遺障害等級は1級から14級まであり、1級が最も重い後遺障害に該当します。例えば、後遺障害等級1級の場合、慰謝料は約2800万円となり、等級が下がるにつれて金額も減少します。

この慰謝料は、被災者が負った精神的苦痛と肉体的苦痛に対する補償であり、適正な等級認定が行われなければ、適切な慰謝料を受け取ることができません。もし、後遺障害等級の認定に納得がいかない場合には、不服申立を行うことが可能です。

傷害慰謝料の相場

傷害慰謝料とは、労災事故で被災者が負ったケガに対して支払われる慰謝料のことです。入院期間や通院期間を基準にして計算されます。前刑の赤い本を踏まえ、裁判所や弁護士が使用する計算表に基づいて算出され、精神的および肉体的な苦痛に対する補償として支払われます。

慰謝料が増額される場合

慰謝料が相場よりも増額される可能性があるケースとして、以下のような状況が考えられます。

被災者側の精神的苦痛が特に大きい場合

例えば、労災事故が会社の重大な過失や違法な業務によって引き起こされた場合、または事故後に会社が被災者やその家族に対して不適切な対応を取った場合など、精神的苦痛が大きいと認められる場合に、慰謝料が増額されることがあります。

被災者側に特別な事情がある場合

被災者が女性で、事故によって人工妊娠中絶を余儀なくされた場合や、外見に関わる傷害が原因で婚約破棄となった場合など、特別な事情がある場合には、慰謝料が増額される可能性があります。また、事故によって将来の夢を諦めざるを得なくなった場合や、仕事を続けられなくなった場合も増額の対象となります。

その他の損害賠償の項目を補完する場合

慰謝料が相場よりも増額されるのは、逸失利益や休業損害など、他の損害賠償項目が十分に補償されない場合に、その不足分を補うためです。これにより、被災者が受けるべき総額が適正なものとなるよう調整されます。

労災事故は示談か裁判で解決

労災事故の損害賠償問題は、まず会社との間で示談交渉によって解決を試みます。示談交渉とは、双方が話し合いによって解決策を見つけるプロセスです。示談が成立すると、示談書が作成され、会社から慰謝料が支払われます。

ただし、示談書の内容には注意が必要です。特に将来の労災保険給付が停止されるリスクを避けるため、示談書には適切な清算条項を含める必要があります。示談がまとまらない場合、裁判での解決を目指すことになりますが、その際には弁護士のサポートが望ましいといえます。

弁護士に相談するメリット

労災事故において弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

専門的なアドバイス

労災事故に精通した弁護士は、損害賠償の適正額や増額の可能性について専門的なアドバイスを提供します。また、後遺障害等級の正確な認定を受けるためのサポートも行います。

交渉力の強化

弁護士が会社との交渉にあたることで、適正な慰謝料の支払いを引き出すことができます。これは、会社が支払いを少なく抑えようとする傾向が強い場合に特に有効です。

法的手続きのサポート

弁護士は、示談交渉が不成立の場合、裁判での手続きをスムーズに進めることができます。法律の専門知識を持つ弁護士が手続きを代行することで、被災者は安心して問題解決に専念できます。

まとめ

労災事故における慰謝料の請求は、被災者やその家族にとって重要な問題です。慰謝料の相場や増額事由を正確に理解し、適切な慰謝料を請求するためには、弁護士のサポートが欠かせません。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、労災事故に関するご相談を随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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