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労災保険で受け取れる補償金とは?

はじめに

労働災害、いわゆる労災に遭った場合、どのような補償が受けられるのか、どのような手続きが必要なのかを理解しておくことはとても重要です。本記事では、労災に関する基本的な情報から補償金の種類、金額の計算方法、請求手続きの流れについて、弁護士法人長瀬総合法律事務所が解説いたします。

Q&A

Q1: 労災とは何ですか? 

A1: 労災とは、仕事中や通勤中の事故が原因でケガや病気になったり、死亡してしまった場合に該当するものを指します。労災には「業務災害」と「通勤災害」の2種類があります。業務災害とは、業務中に発生した事故によるケガや病気で、通勤災害は出勤または退勤中に発生した事故によるケガや病気を指します。

Q2: 労災のときに支給される補償金の種類はどのようなものですか? 

A2: 労災保険で支給される補償金には以下の種類があります。

  • 休業補償給付
  • 療養補償給付
  • 障害補償給付
  • 遺族補償給付
  • 傷病補償給付
  • 介護補償給付
  • 葬祭料・葬祭給付

これらの補償金は、労災によって生じた状況や被害の程度に応じて支給されます。

Q3: 休業補償の金額はどのように計算されますか? 

A3: 休業補償の金額は、「給付基礎日額」に基づいて計算されます。給付基礎日額は、労災発生直前の3ヶ月間の総収入を、その3ヶ月の暦日数で除した金額です。休業補償給付は給付基礎日額の60%、休業特別支給金は20%が支給されます。

Q4: 労災の補償を受けるためにはどのような手続きが必要ですか? 

A4: 労災補償を受けるには、所定の様式に必要事項を記載し、医師と会社の証明を受けてから労働基準監督署に提出します。申請が受理され、審査を経た後、補償金が指定された口座に振り込まれます。一般的に申請から支給までには約1ヶ月程度かかりますが、場合によっては数ヶ月かかることもあります。

Q5: 労災を受給中に退職した場合、補償はどうなりますか? 

A5: 労災発生時の雇用形態や退職の有無に関係なく、労災保険の給付を受ける権利は失われません。療養給付や休業補償は引き続き支給されますので、安心して手続きを進めることができます。

労災の補償金額の詳細

労災によって支給される補償金には、それぞれ支給条件や金額の計算方法が異なります。ここでは、主要な補償金の内容について詳しく解説します。

1. 休業補償給付

休業補償給付は、労働災害により仕事ができない状態になった場合に支給されます。給付基礎日額の60%に休業日数を乗じて計算され、さらに給付基礎日額の20%が特別支給金として支払われます。休業の4日目以降から支給されるため、初日から3日目までは会社が負担することになります。

2. 療養補償給付

療養補償給付は、労災によるケガや病気の治療に必要な費用が支給されます。治療費のほか、医師の診療費用や手術費用、薬剤費、入院費用などが含まれます。

3. 障害補償給付

障害補償給付は、労災によって後遺障害が残った場合に支給されるものです。後遺障害の程度に応じて、1級から14級までの等級が定められており、それに応じて給付額が変わります。1級から7級は年金として支給され、8級から14級は一時金として支給されます。

4. 遺族補償給付

遺族補償給付は、労災で従業員が死亡した場合に遺族に支払われる補償金です。遺族年金と一時金の2種類があり、支給対象者の有無に応じていずれかが支給されます。対象者には、配偶者、子、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹などが含まれます。

5. 傷病補償給付

傷病補償給付は、療養開始から1年6ヶ月経過した後も治療が続き、傷病の状態が治癒していない場合に支給されます。障害の程度が傷病等級に該当することが条件となります。

6. 介護補償給付

障害や傷病のために介護が必要な場合に支給されます。対象者は、障害・傷病等級第1級または第2級に該当する従業員です。民間の介護サービスを利用した場合の費用も支給対象となります。

7. 葬祭料・葬祭給付

労災による死亡時の葬祭費用が支給されます。支給額は、31万5000円に給付基礎日額の30日分を加えた額か、給付基礎日額の60日分のいずれか少ない方の金額となります。

弁護士に相談するメリット

労災に関する手続きは、専門知識が求められるため、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、以下のサポートを提供しています。

  • 手続きの代行
    労災の申請手続きや必要書類の作成を代行します。
  • 正確な補償金の計算
    労災補償金の正確な算定を行い、受給額が適正であるか確認します。
  • 企業との交渉
    労災の責任をめぐる企業との交渉を行い、適切な解決を図ります。
  • 紛争解決の支援
    万が一、企業との間でトラブルが発生した場合には、法的手続きも視野に入れて支援を行います。

まとめ

労災は、業務中や通勤中に発生したケガや病気を補償する重要な制度です。労災保険の適用範囲や受給できる補償金の種類について理解しておくことは、万が一の際に適切な手続きを行い、十分な補償を受けるために必要です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、労災に関する専門知識を持った弁護士が、相談者の方々をサポートいたします。

動画のご紹介

労災でお悩みの方に向けて、労災に関する解説動画を公開しています。ぜひご視聴ください。

【労働災害の動画のプレイリストはこちら】

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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