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労災申請のタイミングと手続き:退職後や遅れた場合でも対応できる?

はじめに

労災事故に遭った場合、すぐに申請するのが理想ですが、様々な事情で申請が遅れることもあります。そんなとき、「あとからでも申請できるのか?」という疑問が浮かぶのは当然です。本記事では、労災申請が可能なケース、申請時に気を付けるべきポイント、そして弁護士に相談するメリットについて、弁護士法人長瀬総合法律事務所がわかりやすく解説します。さらに、労災申請に関する情報をQ&A形式でお届けし、遅れてしまった場合でも対応できる方法を紹介します。

Q1: 労災はあとから申請できる?

A1: はい、可能です。 

事故直後に労災申請ができなかった場合でも、後から申請することが認められています。しかし、申請には時効があるため、一定の期間を過ぎると申請ができなくなります。したがって、できるだけ早めに手続きを行うことが重要です。

具体的なケース

例えば、事故当時は手続きがわからず、労災申請を行わなかった場合や、会社が労災として申請してくれなかった場合でも、後から労災として申請することは可能です。ただし、労災申請には申請期限があり、期限を過ぎると権利を失うリスクがあります。

Q2: 労災を申請できる期限は?

A2: 労災申請の期限は、給付の種類によって異なります。 

以下に代表的な労災給付の種類とその申請期限を示します。

 

給付の種類

申請期限

療養給付

費用支出から2年

休業給付

休業日から2年

葬祭給付

死亡日の翌日から2年

介護給付

介護を受けた翌月の1日から2年

障害給付

症状固定から5年

遺族給付

死亡日の翌日から5年

このように、労災の申請は2年もしくは5年という期限が設けられています。また、2年もしくは5年の期間をいつから計算するかについても、給付の種類によって異なります。例えば、療養給付の場合は、治療費を支出してから2年が申請期限ですし、休業給付の場合は、休業して賃金の支払いを受けられない日から2年が時効の開始点になります。

時効を逃さないために

例えば、事故から10年経過してしまった場合には、どの給付も申請できなくなる可能性が高いといえます。そのため、できるだけ早めに申請を行うことが望ましいでしょう。また、申請を行う際は、時効の計算方法に注意し、適切なタイミングで手続きを進めることが重要です。

Q3: 会社を退職したあとでも労災を申請できる?

A3: 退職後でも労災申請は可能です。 

多くの方が「会社を退職した後では労災申請ができないのでは?」と心配しますが、退職後でも労災申請を行うことは可能です。ただし、先に述べたように、申請期限内に手続きを行う必要があります。

退職後の申請で注意すべき点

退職後に労災申請を行う場合、会社が申請に協力してくれないこともあります。この場合、労災事故が発生したことや、その事故が原因でけがや病気になったことを証明するための証拠を、自分で準備する必要があります。具体的には、医療記録や目撃者の証言、事故現場の写真などが証拠として重要です。

Q4: 健康保険を使ったあとで労災申請はできる?

A4: できますが、手続きが必要です。 

事故後すぐに労災申請ができず、とりあえず健康保険を使って治療を受けた場合でも、後から労災保険に切り替えることができます。ただし、健康保険と労災保険は同時に利用できないため、以下のような手続きが必要です。

健康保険から労災保険への切り替え手続き

  1. 健康保険組合に連絡: 本来労災保険を利用すべき事故に対して健康保険を使った場合、まずは健康保険組合に連絡し、「労災保険の適用を忘れて健康保険を使用してしまった」と報告します。
  2. 健康保険組合からの精算: 健康保険組合は、治療費を立て替えた分を精算するため、請求書を送付します。この金額を支払った後に、領収書を保管しておきましょう。
  3. 労災保険への申請: 精算後、療養費用給付の申請書を作成し、労基署に提出します。この際、健康保険での治療に関する領収書を添付することが必要です。

労災保険への切り替えに伴う注意点

お金の問題で健康保険組合への精算が難しい場合には、労基署に相談し、例外的な対応が可能かどうか確認することも大切です。何よりも、健康保険と労災保険の切り替えには迅速な対応が求められます。

Q5: 通勤災害で任意保険を使ったあとでも労災申請はできる?

A5: はい、できますが、選択が重要です。 

通勤中に発生した交通事故などで任意保険を利用した後でも、労災保険に切り替えることは可能です。しかし、治療費や休業損害の請求において、どちらの保険を利用するか慎重に選択する必要があります。

通勤災害と労災保険・任意保険の選択

  • 治療費: 労災保険と任意保険を同時に使用することはできません。通常、任意保険を選択することが多いですが、状況によっては労災保険の方が有利になることもあります。
  • 休業損害: 労災保険では、基礎賃金の60%が支給されますが、これを超える部分については任意保険に請求することが可能です。また、労災保険には「休業特別給付」としてさらに基礎賃金の20%が支給されるため、場合によっては両方の保険を活用することで有利な結果を得ることができます。
  • 慰謝料: 労災保険では慰謝料の支給がないため、この部分は任意保険から請求することが必要です。
  • 後遺障害: 労災保険と任意保険の双方で請求できますが、一方で受け取った保険金は他方の申請時に調整されます。

労災をあとから申請する際のポイント

  1. 早めの申請が重要
    労災申請は後からでも可能ですが、先延ばしにするメリットはありません。時効の問題もありますし、労災事故が発生したという証明が困難になるリスクもあります。なるべく早く申請を行うことが求められます。
  2. 会社が労災を認めない場合でも諦めない
    労災申請に必要な書類には会社の証明印が必要ですが、もし会社が労災を認めずに証明印を押してくれない場合でも、労働基準監督署に直接申請することが可能です。諦めずに手続きを進めましょう。
  3. 弁護士に相談することで安心
    労災の申請や保険の選択は専門的な知識が必要です。自分一人で手続きを進めるのは難しいため、弁護士に相談することで適切なアドバイスを受け、スムーズに手続きを行うことができます。

弁護士に相談するメリット

労災申請や保険の選択に関しては、専門的な知識と経験が求められるため、弁護士に相談することを強くお勧めします。以下に弁護士に相談するメリットを挙げます。

  • 専門的なアドバイス: 申請方法や時効の管理、どの保険を選択すべきかなど、複雑な状況において適切なアドバイスを提供してもらえます。
  • 手続きの代行: 書類作成や申請手続きの代行により、時間や労力を節約できます。
  • トラブル回避: 会社とのトラブルや保険会社との交渉をスムーズに進め、問題が発生する前に解決策を見つけることができます。

まとめ

労災を後から申請することは可能ですが、そのためには申請期限や必要な証拠をしっかりと管理することが重要です。また、会社が協力しない場合や保険の選択が難しい場合は、専門家である弁護士に相談することが最善の方法です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、労災に関するご相談を全国対応で受け付けています。お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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