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労災における上肢の後遺障害:認定基準から損害賠償請求まで解説

はじめに

労働災害(労災)による上肢(肩・肘・手首・手指)のケガや後遺障害は、労働者にとって重大な問題です。仕事中に発生した事故が原因でケガを負い、その後遺症として後遺障害が残る場合、労働者は適切な補償を受ける権利があります。しかし、労災における補償制度や後遺障害の認定基準は複雑であり、個々のケースに応じた対応が必要です。本稿では、労災における上肢の後遺障害や損害賠償請求について、専門的な知識をわかりやすく解説します。

Q&A

Q1: 上肢とは何ですか? 

A: 上肢とは、肩から肘、腕、手、指までの部分を指します。具体的には、「肩関節」、「肘関節」、「手関節(手首)」の三大関節が含まれ、これらの関節は日常生活や仕事において重要な役割を果たします。上肢のケガは、単に一部の関節に影響を与えるだけでなく、全体の機能や生活の質に大きな影響を及ぼす可能性があります。

Q2: 労災で上肢にケガを負った場合、どのような後遺障害が認定されますか? 

A: 労災で上肢にケガを負い、その後後遺障害が残った場合、後遺障害等級が1級から14級までの範囲で認定される可能性があります。等級は、損傷の程度や部位、機能の喪失具合に基づいて決定されます。例えば、肩の関節が全く動かなくなる場合や、指が失われた場合など、症状の重さに応じて適切な等級が認定されます。

Q3: 労災保険から受け取れる給付金にはどのような種類がありますか? 

A: 労災保険からは、「療養補償給付」「休業補償給付」「障害補償給付」「介護補償給付」などの各種給付金を受け取ることができます。これらの給付金は、ケガの治療費や、治療中に働けなかった期間の賃金補償、後遺障害が残った場合の補償、さらには介護が必要になった場合の支援など、さまざまな形で労働者の被害を補償します。

Q4: 労災保険だけでは不十分な場合、会社に損害賠償請求ができますか? 

A: はい、労災保険からの給付だけでは補償が不十分な場合、会社の「安全配慮義務違反」に基づき、損害賠償請求を行うことが可能です。労災保険は基本的な補償を提供しますが、将来的な収入の喪失や、精神的な苦痛に対する慰謝料など、労災保険だけではカバーしきれない部分については、会社に対して直接請求することが必要です。

Q5: 弁護士に相談するメリットは何ですか? 

A: 弁護士に相談することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 正しい後遺障害等級の認定
  • 適切な慰謝料や逸失利益の算出
  • 会社に対する損害賠償請求のアドバイス
  • 示談交渉や裁判でのサポート

特に労災に関する法律は複雑であり、個人で適切に対応することは難しい場合が多くあります。労働災害に関する専門知識を持つ弁護士のサポートを受けることで、適切な補償を受け取る可能性が高まります。

労災における上肢の後遺障害とは?

1. 上肢の後遺障害についての基本的な理解

上肢とは、肩から手指までの部分を指し、労災においては、これらの部位に後遺障害が残る場合があります。後遺障害は、損傷の部位や程度によって等級が決まります。後遺障害等級が決定されると、その等級に基づいて受け取る慰謝料や損害賠償金の金額が決まります。

2. 欠損障害

上肢の一部や全部を失った場合、重度な後遺障害として認定されることがあります。例えば、腕や手の切断が含まれます。こうした場合、1級から2級の高い等級が認定されることが多く、相応の慰謝料が支払われます。

3. 機能障害

関節が動かなくなる、または著しく可動範囲が制限される場合も、後遺障害等級が認定されます。例えば、肘関節が全く動かなくなる、または指の一部が動かなくなる場合、5級から12級の等級が認定されることがあります。機能障害は、日常生活や仕事に大きな影響を与えるため、慎重に診断されます。

4. 変形障害

骨折後に骨が不適切に癒合することで、関節や骨の変形が生じた場合も該当します。例えば、骨が曲がったまま癒合した場合や、関節が変形してしまった場合です。変形障害は、見た目だけでなく、機能にも影響を及ぼすことがあるため、等級が認定されることがあります。

5. 醜状障害

上肢の露出部分に醜い傷跡が残る場合も後遺障害等級が認定されます。特に、手や腕など日常的に露出する部位に大きな傷跡が残った場合、精神的な苦痛が大きいと認められ、14級が認定されることがあります。

6. 労災の後遺障害認定プロセス

労災による傷害(ケガ)の治療を続けたものの、これ以上の改善が難しい状態になると「症状固定」の診断を医師から受けます。その後、被災者には後遺症が残ってしまい、その状態をもとに後遺障害等級が認定されます。このプロセスは非常に重要で、間違った等級が認定されると、適切な補償を受け取ることが難しくなります。

労災保険から受け取れる給付金

1. 労災保険の基本的な仕組み

労災で上肢にケガを負った場合、労災保険から各種給付金を受け取ることができます。これらの給付金は、労災によって被った損害を補償するものであり、労働者の生活を支える重要な役割を果たします。主な給付金には以下のものがあります。

2. 療養補償給付

診察、治療、手術など、ケガの治療にかかる費用を補償します。労災によるケガの場合、労働者は無料で治療を受けることができ、全額が労災保険から支払われます。これにより、治療費の心配をすることなく、回復に専念することができます。

3. 休業補償給付

ケガの治療のために働けない場合、休業期間中の賃金の補償が行われます。休業4日目から支給され、平均賃金の60%が給付されます。また、事業主が給付基礎日額の20%を支払うことで、実質的に80%の賃金が保障されます。これにより、治療に専念しながらも、生活費の心配をせずに済みます。

4. 障害補償給付

ケガが治った後に後遺障害が残った場合、その等級に基づいて支給される給付金です。等級によって金額は異なり、1級の場合には一時金として支払われるか、障害年金として定期的に支給されます。これにより、生活の安定が図られます。

5. 介護補償給付

後遺障害等級が1級または2級で、常時介護が必要な場合に支給される給付金です。介護が必要な場合、被災者やその家族にとって大きな負担となるため、介護費用の補助が行われます。これは家庭での介護を支援する重要な制度です。

6. 遺族補償年金・葬祭料

労災によって労働者が死亡した場合、その遺族に支給される補償です。遺族補償年金は、労働者が生きていれば得られたはずの収入に対する補償として支払われ、葬祭料は葬儀にかかる費用を補助します。これにより、遺族の生活を支えることができます。

会社に対する損害賠償請求

1. 損害賠償請求の基本

労災保険の給付だけでは十分な補償が得られない場合、会社に対して損害賠償請求を行うことができます。この請求は、労働者が受けた損害や苦痛に対する補償を求めるものであり、会社の「安全配慮義務違反」や「使用者責任」に基づいて行われます。

2. 安全配慮義務とは?

会社は、労働者が安全に働ける環境を提供する義務を負っています。これは「労働契約法」や「労働安全衛生法」に基づくものであり、労働者がケガをした場合、その責任を会社が負うことがあります。具体的には、安全な作業環境の提供や適切な指導、安全設備の設置などが求められます。

3. 使用者責任とは?

労働者が業務中に他人に損害を与えた場合、その使用者である会社が責任を負うことがあります。これは「民法」に定められており、例えば、労働者が業務中に他の労働者や第三者に損害を与えた場合、その賠償責任が会社にあるとされることがあります。

4. 損害賠償請求できる項目

損害賠償請求には、以下のような項目が含まれます。

  • 治療費: ケガの治療にかかった費用。
  • 通院交通費: 通院にかかる交通費。
  • 休業損害: 休業期間中の収入の補償。
  • 慰謝料: 精神的な苦痛に対する補償。
  • 逸失利益: 後遺障害によって失われる将来の収入に対する補償。
  • 葬儀費用: 労災で死亡した場合の葬儀にかかる費用。
  • 装具・器具購入費: ケガの治療や後遺症に対応するための器具や装具の費用。
  • 自宅・自動車改造費: 後遺症に対応するための住宅や自動車の改造費用。
  • 将来介護費: 後遺症が残存するために将来にわたって介護が必要となる場合に発生する費用。

これらの項目について、適切な補償を受けるためには、専門的な知識と経験が必要です。被災者が個人で対応するのは困難なことが多く、専門家のサポートが求められます。

慰謝料と逸失利益の計算方法

1. 傷害慰謝料

ケガの治療期間に応じて、入通院慰謝料が支払われます。治療が長引くほど、慰謝料の額も増加します。例えば、1か月入院し、さらに1か月通院した場合の慰謝料の相場は約77万円です。入院期間が長くなるにつれて、相場額も上がり、例えば、2か月入院し、2か月通院した場合には約139万円が支払われるケースもあります。

2. 後遺障害慰謝料

後遺障害が残った場合の慰謝料は、認定された等級に基づいて決定されます。1級の後遺障害では約2800万円、2級では約2370万円が支払われるのが一般的です。等級が下がるにつれて慰謝料の額も減少し、例えば、14級の場合は約110万円となります。正しい等級が認定されることが重要であり、適切な慰謝料を受け取るためには、専門家のサポートが不可欠です。

3. 逸失利益

後遺障害が残ったことで失われる将来の収入を補償するものが逸失利益です。計算方法は、被災者の基礎収入額に、労働能力喪失率とライプニッツ係数を掛け合わせたものになります。例えば、基礎収入が500万円で、労働能力喪失率が20%、労働能力喪失期間が30年の場合、逸失利益は約1960万円となります。逸失利益の金額は、被災者の年齢や職業、後遺障害の程度によって大きく変わるため、正確な計算が必要です。

弁護士に相談するメリット

1. 正しい後遺障害等級の認定

後遺障害等級の認定は、被災者の将来を左右する重要なプロセスです。弁護士に相談することで、正しい等級が認定されているかどうかを確認できます。間違った等級が認定されると、受け取る慰謝料が大きく減額されてしまうため、専門家のサポートが必要です。

2. 適切な慰謝料や逸失利益の算出

弁護士は、被災者に代わって適切な慰謝料や逸失利益を計算し、会社や保険会社との交渉を行います。慰謝料や逸失利益は、個々のケースによって異なるため、専門的な知識を持つ弁護士に相談することで、適切な補償を受け取ることができます。

3. 示談交渉や裁判でのサポート

会社との示談交渉や、万が一の裁判においても、弁護士がサポートします。被災者が一人で交渉や裁判を行うのは非常に難しいため、経験豊富な弁護士のサポートを受けることで、より良い結果を得ることが可能です。

4. 相談後も安心して生活できる

弁護士に相談することで、慰謝料や損害賠償請求についての不安が軽減され、生活に安心感がもたらされます。また、相談後も継続的なサポートを受けることで、将来に対する不安を減らすことができます。

まとめ

労災による上肢のケガや後遺障害は、労働者にとって大きな問題です。適切な補償を受けるためには、労災保険や損害賠償請求について正しい知識を持つことが重要です。特に、後遺障害の認定や損害賠償請求については、専門家である弁護士に相談することで、より安心して解決に向かうことができます。労災に関する法律や手続きは複雑であり、個人で対応するのは難しい場合があります。弁護士法人長瀬総合法律事務所は、労災でお困りの方々を全力でサポートいたしますので、ぜひご相談ください。適切なサポートを受けることで、被災者の方が安心して生活を再建できるよう、共に取り組んでまいります。

この記事を書いた人

弁護士法人 長瀬総合法律事務所

弁護士法人 長瀬総合法律事務所

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