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労災における頸椎・胸椎・腰椎の骨折等の後遺障害|認定基準から損害賠償請求まで解説

労災における頸椎・胸椎・腰椎の骨折等の後遺障害
認定基準から損害賠償請求まで解説

はじめに

労働災害(労災)は、労働者が仕事中や通勤中に受けるケガや病気、障害、死亡を指します。特に、頸椎、胸椎、腰椎の骨折は労災の中でも頻繁に発生する事故であり、これらの骨折が原因で後遺障害が残ることも少なくありません。後遺障害が生じた場合には、労災保険からの給付に加えて、会社に対して損害賠償請求を行うことも可能です。

本記事では、頸椎・胸椎・腰椎の骨折に関連する後遺障害等級の認定基準や、損害賠償請求の際に注意すべき点について解説します。また、労災問題において弁護士に相談することの重要性についても触れ、被災者が適切な補償を受けるためのポイントを提供します。

Q&A

Q: 頸椎・胸椎・腰椎の圧迫骨折とは何ですか?

A: 頸椎、胸椎、腰椎は、それぞれ首、胸、腰に位置する脊椎の一部です。これらの骨が事故などで大きな外力を受けて潰れることを圧迫骨折といいます。圧迫骨折は、労働中の事故や通勤中の交通事故が原因で発生することが多く、骨がつぶれて変形したり、骨折した部分が不安定になることで、痛みや機能障害が残ることがあります。こうした状況が続くと、後遺障害として認定されることがあります。

Q: 労災とは何ですか?

A: 労災とは、労働者が仕事中や通勤中に受けたケガや病気、障害、死亡を指します。これには、作業中の事故や通勤中の交通事故などが含まれます。労災に認定されると、労災保険から補償を受けることができ、治療費や休業補償、後遺障害が残った場合には後遺障害給付も支給されます。さらに、労災保険の給付だけでは不十分な場合には、会社に対して損害賠償請求を行うことも可能です。

Q: 労災による後遺障害にはどのようなものがありますか?

A: 労災による脊椎の骨折で後遺障害が残った場合、運動障害や変形障害などが認定されることがあります。運動障害とは、関節や筋肉の動きが制限される状態であり、変形障害とは、骨の形状が元に戻らず、変形が残る状態を指します。これらの障害が後遺症として残った場合、それぞれに応じた等級が設定され、等級に基づく慰謝料が支払われます。後遺障害の等級は、症状の重さや影響範囲に応じて分類され、等級が高いほど慰謝料の金額も大きくなります。

頸椎・胸椎・腰椎の骨折等で想定される後遺障害等級

頸椎、胸椎、腰椎の骨折は、事故の発生後、適切な治療を受けたとしても、後遺障害が残ることがあります。後遺障害等級は、症状の重さや影響範囲に応じて、1級から14級までの等級が設定されます。具体的な等級の決定には、骨の変形の程度や運動機能の制限などが考慮されます。

主な後遺障害等級の例

  • 6級4号: 脊柱に著しい変形または運動障害が残るもの。これには、脊柱の複数の椎体にわたる重大な変形や、脊柱全体の動きが著しく制限される場合が該当します。例えば、複数の椎体がつぶれて背骨が曲がったままの状態になったり、極端な前傾姿勢が取れなくなったりするケースです。
  • 8級2号: 脊柱に運動障害が残るもの。この等級は、例えば腰椎の骨折後、前屈や後屈の動きが著しく制限される場合が該当します。日常生活において、物を持ち上げる動作や、腰をかがめる動作が困難になるなど、労働能力に大きな影響を与える障害です。
  • 8級相当: 脊柱に中程度の変形が残るもの。例えば、1つの椎体がつぶれた結果、背骨の一部に中程度のカーブが生じる場合です。このような変形が残ると、腰や背中の痛みが慢性化し、日常生活にも支障をきたすことが少なくありません。
  • 11級5号: 脊柱に変形が残るもの。この等級は、比較的軽度の変形が残る場合に適用されます。例えば、椎体の一部が圧迫され、背骨がわずかに曲がったり、姿勢が悪くなったりするケースです。

それぞれの等級に対する慰謝料の相場は次の通りです。

  • 後遺障害6級: 1180万円
  • 後遺障害8級: 830万円
  • 後遺障害11級: 420万円

これらの金額は、被災者が将来的に受ける苦痛や損害を補填するために支払われるものです。

機能障害に関する後遺障害等級

頸椎・胸椎・腰椎の骨折による後遺症には、運動障害として機能障害が残るケースが多く見られます。機能障害が残る場合、それが日常生活や労働能力にどの程度影響を及ぼすかが重要な評価基準となります。

運動障害の例

  • 著しい運動障害: 頸椎および胸腰椎において、関節の動きが大幅に制限される状態です。例えば、頸椎が強直して首を動かせなくなったり、腰椎が固まって前後に曲げ伸ばしができなくなったりする場合が該当します。このような場合、日常生活の基本動作が困難になり、労働能力も大きく低下するため、高い等級が認定される傾向にあります。
  • 運動障害: 頸部または胸腰部の可動域が通常の半分以下に制限されるもの。この等級は、頸椎や胸椎、腰椎の骨折後、動かせる範囲が大幅に狭くなる場合に適用されます。例えば、腰を曲げようとしても途中までしか曲がらない、首を回そうとしても横を向くのがやっと、といった症状です。これにより、日常生活の動作が制限され、長時間同じ姿勢を保つことが困難になる傾向にあります。

機能障害が残ることで、被災者は身体の自由度が大きく制限され、社会生活においてもさまざまな支障をきたすことになります。適切な後遺障害等級の認定を受けることで、適正な補償を受けることが重要です。

変形障害に関する後遺障害等級

頸椎・胸椎

腰椎の骨折による変形障害は、骨の形状が元に戻らず、変形が残る状態を指します。変形障害が残った場合、それがどの程度の影響を及ぼすかにより後遺障害等級が設定されます。

変形障害の例
  • 著しい変形障害: 脊椎の圧迫骨折により、複数の椎体が潰れ、脊柱の後彎や側彎が50度以上となった場合。このような場合、背骨が大きく湾曲し、姿勢の維持が困難になるだけでなく、内臓や神経にも悪影響を及ぼすことがあります。このような重度の変形障害が認定された場合、高い等級が適用され、相応の慰謝料が支払われます。
  • 中程度の変形障害: 脊椎の圧迫骨折によって1つの椎体が潰れ、背骨のカーブが50度未満となる場合。例えば、1つの椎体が潰れ、背中が少し曲がった状態が残る場合が該当します。この程度の変形でも、長時間の立ち仕事や重い物を持つ動作に支障が生じることがあり、日常生活の質が低下するため、適切な等級認定が必要です。

これらの変形障害が残ると、姿勢の維持や身体の動きに制限が生じるため、生活の質が低下し、労働能力も大きく影響を受けます。適正な等級認定を受けることで、被災者は適切な補償を受けることができるようになります。

会社側に対する損害賠償請求における留意点

労災として認定された場合でも、労災保険の給付金だけでは被災者の損害を十分に補填できないことがあります。例えば、労災保険からの給付金が限られている場合や、逸失利益が大きい場合などです。そのような場合には、会社に対して「安全配慮義務違反」に基づく損害賠償請求を行うことが考えられます。

損害賠償請求で考慮すべき主な項目

  • 治療費: 事故による治療にかかった費用。これには、入院費用や手術費用、リハビリ費用などが含まれます。
  • 通院交通費: 通院のための交通費。タクシー代や公共交通機関の運賃が対象となります。
  • 休業損害: 事故によって労働ができなかった期間の損害。これは、事故により働けなかった期間に対する収入の補償です。
  • 慰謝料: 精神的苦痛に対する補償。これは、事故による身体的な痛みや精神的な苦しみに対して支払われるものです。
  • 逸失利益: 将来得られるはずだった収入の補償。例えば、後遺障害が残ったことで、今後の収入が減少する場合、その差額を補填するために支払われます。
注意点

会社側が提示する賠償額が被災者にとって適正であるとは限りません。過失割合の計算や損害額の見積もりは複雑であり、被災者にとって不利な条件が提示されることも少なくありません。また、過失割合に応じて損害賠償額が減額されることもあります。このような場合、正確な知識を持ち、適切に交渉を進めることが必要です。

弁護士に相談するメリット

労災に関連する問題は非常に専門的であり、被災者が自力で適切な対応を行うのは難しい場合が少なくありません。そのため、労災問題に強い弁護士に相談することが推奨されます。弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

  • 適正な後遺障害等級の確認: 医療機関や専門家と連携し、後遺障害等級が正しいかどうかを確認します。これにより、過少な等級認定を避け、適正な補償を受けることができます。
  • 損害賠償請求の支援: 弁護士は、被災者が請求できる損害賠償の項目を明確にし、正確な金額の算定を行います。これには、治療費、休業損害、慰謝料、逸失利益などが含まれます。
  • 示談交渉の代理: 被災者に代わって会社と交渉し、適正な賠償額を勝ち取ります。弁護士が交渉に加わることで、会社側も適正な対応を迫られることが多くなります。
  • 裁判対応: 示談が成立しない場合には、弁護士が裁判での解決を図ります。裁判では、法的知識が必要となるため、弁護士が代理人となることで、被災者はより有利な立場で交渉を進めることができます。

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、労災問題に精通した弁護士が被災者をサポートし、適切な補償を受けるための最善の策を提供します。

まとめ

頸椎・胸椎・腰椎の骨折は、労災として認定されることが多く、その後に後遺障害が残るケースも少なくありません。後遺障害が認定された場合、適切な等級に基づく慰謝料や逸失利益の補償を受けることが重要です。しかし、労災保険の給付金だけでは十分でない場合も多く、会社に対する損害賠償請求を検討する必要があります。その際、専門知識を持つ弁護士に相談することが、適切な補償を得るための最良の方法です。

 

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、労災問題に関する豊富な経験と専門知識を持つ弁護士が、被災者の皆様を全力でサポートいたします。労災に関するご相談がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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