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労災申請のメリット・デメリットとは?

労災申請のメリット・デメリットとは?

はじめに

労災(労働災害保険)を使うべきかどうか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。労災を申請することによって、従業員が得られる補償や企業の負担が気になる場合もあるでしょう。本記事では、労災の使用に関する疑問をQA形式で解説し、労災申請のメリット・デメリット、企業や従業員にとっての影響について説明します。また、弁護士に相談するメリットについてもご紹介します。

労災は使わない方がいい?【Q&A形式】

Q1: 労災は使わない方がいいのでしょうか?

A1: 基本的には労災は使うべきです。 労災は、従業員が業務中に怪我や病気になった際に、治療費や休業補償などのサポートを受けるための制度です。使わない理由はほとんどなく、使わなければ従業員が不利益を被る可能性が高いといえます。

労災のメリットとデメリット【従業員の場合】

Q2: 労災を使うことで従業員にとってどのようなメリットがありますか?

A2: 従業員にとってのメリットは以下の通りです。

  • 治療費の負担がなくなる: 労災を申請することで、治療費は全額労災から負担されます。健康保険は適用されませんが、労災がカバーするため、自己負担はありません。
  • 休業補償が受けられる: 休業中の賃金補償も労災から支給されます。怪我や病気で働けなくなっても、収入の一部を確保できます。
  • 後遺障害の補償: 治療後に後遺障害が残った場合、その障害に応じた等級で労災補償が受けられます。

Q3: 労災を使うことで従業員にデメリットはありますか?

A3: 労災を使うデメリットはほとんどありませんが、企業から嫌がられることがあるかもしれません。 労災申請を企業に代行してもらう場合、手続きの煩雑さから企業が消極的になることがあります。しかし、労災は法に基づく制度であり、企業に申請を拒否されることはありません。従業員自身で申請することも可能ですので、デメリットは少ないといえます。

労災のメリットとデメリット【企業の場合】

Q4: 労災を申請することで企業にはどのような影響がありますか?

A4: 企業にもメリットとデメリットがあります。

  • メリット: 労災を使用することで、従業員が損害賠償請求を行う際、既に労災から支給された部分は控除されるため、企業が負担する賠償額が減少する可能性があります。
  • デメリット: 労災申請によって、企業の労災保険料が増加することがあります。労災の発生件数が多い企業ほど、保険料の負担が増える仕組み(メリット制)になっています。

労災申請に関する重要なポイント

Q5: 労災を使わない方が良いケースはありますか?

A5: 基本的に労災を使わない方が良いケースはほとんどありません。 労災が適用される場合には、従業員はその恩恵を受けることが推奨されます。使わないことで逆に負担が増えるリスクがあります。

Q6: 労災を使うと損害を全てカバーできますか?

A6: 必ずしも全てをカバーできるわけではありません。 労災がカバーしない慰謝料や休業損害などは、別途企業から請求する必要があります。そのため、労災申請後もその他の損害をどう回収するか検討することが重要です。

弁護士に相談するメリット

Q7: 労災に関する問題で弁護士に相談するべきですか?

A7: 労災は専門性の高い領域であり、弁護士に相談するメリットがあります。 弁護士に相談することで、適切な補償を受けるための申請手続きや損害賠償請求を効率的に進めることができます。また、弁護士に相談することで、企業とのトラブルを最小限に抑えることができ、スムーズに解決へ導くことが可能です。

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、労災問題に強い弁護士が対応し、個々のケースに応じた最適なアドバイスを提供しています。労災に関してお悩みの方は、ぜひご相談もご検討ください。

まとめ

労災は従業員を保護するための重要な制度であり、基本的に使うべきです。申請しないことで従業員は不利益を被る可能性があり、企業も適切な対応をする必要があります。労災申請の手続きが煩雑であったり、トラブルを避けたいと考える場合には、労災に強い弁護士に相談することもご検討ください。

動画のご紹介

労災でお悩みの方に向けて、労災に関する解説動画を公開しています。ぜひご視聴ください。

【労働災害の動画のプレイリストはこちら】

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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