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長時間労働による死亡が発生した場合に企業が取るべき対応

はじめに

長時間労働が原因で従業員が死亡した場合、企業にとってどのようなリスクが生じ、労働基準監督署(労基署)はどのように対応するのでしょうか?企業として事前に何を行っておくべきか、そして万が一の事態が発生した際にどのような対応をすべきかについて、弁護士法人長瀬総合法律事務所が解説いたします。

労基署の対応についてのQ&A

Q1: 長時間労働による死亡が発生した場合、労基署はどのような対応を行いますか? 

A1: 長時間労働が原因で従業員が死亡した場合、労基署はまず事業場に対して厳しい調査を実施し、労働基準法や労働安全衛生法の遵守状況を確認します。場合によっては抜き打ちの立入調査を行い、その結果次第では事業主を刑事処分する可能性もあります。

Q2: 労基署の調査が行われるきっかけは何ですか? 

A2: 過労死が発生した場合や、従業員やその家族からの申告、または報道などがきっかけとなることが多いです。特に、労働時間が過度に長く、健康障害のリスクがあると判断される事業場については、労基署は積極的に調査を行う傾向にあります。

Q3: 調査の結果、違法な労働実態が確認された場合、どのような処分を受ける可能性がありますか? 

A3: 労基署の調査の結果、労働基準法違反や労働安全衛生法違反が認められた場合、事業主には厳しい行政指導が行われるとともに、必要に応じて刑事告発される可能性もあります。さらに、遺族に対して賠償責任を負うこともあり、企業の信用に大きな影響を及ぼすことになります。

労災保険の認定基準とその手続き

労災保険の認定基準は、主に脳血管疾患と虚血性心疾患が対象となります。認定には、過重な労働が原因で疲労が蓄積し、これが疾病の発症に繋がったと判断されるかどうかがポイントです。

認定基準のポイント

  • 発症前の労働時間: 発症前1か月間の時間外労働が100時間を超える場合や、2〜6か月の期間で月平均80時間を超える時間外労働があった場合、業務と発症との関連性が強いとされます。
  • 具体的な負荷要因: 労働時間以外にも、業務内容や作業環境、心理的負荷がどの程度であったかを総合的に判断します。

使用者の民事責任と裁判例

長時間労働を原因とする過労死の場合、使用者には労働者の健康管理に関する「安全配慮義務」を怠ったとして、損害賠償責任が生じることがあります。近年の裁判例では、長時間労働と疾病発症の因果関係が認められた場合、企業側に多額の賠償命令が下されるケースが増えています。

労基署による過重労働の監督と指導

労基署は、月45時間を超える時間外労働が常態化している事業場や、健康障害のリスクが高いと判断される事業場に対して、監督指導を実施しています。

労基署の指導内容

  • 産業医の選任と健康管理: 長時間労働が確認された場合、企業は産業医を通じて労働者の健康管理を徹底するよう指導を受けます。
  • 時間外労働の削減: 月100時間を超える時間外労働が認められた場合、労基署はより厳しい監督を行い、健康診断の実施や労働時間の削減を強く求めます。
  • 36協定の確認: 労働者代表との協定が限度基準に適合していない場合は、労使当事者間の再協議を求め、限度基準を遵守するよう指導します。

労働者のメンタルヘルスケアの重要性

長時間労働は、心身の健康に重大な悪影響を及ぼし、脳・心臓疾患だけでなく精神疾患の発症リスクも高めます。そのため、企業には労働者のメンタルヘルスを守るための対策が求められます。

精神障害の労災認定基準

  • 精神疾患が業務による強い心理的負荷により発症したこと。
  • 発症前6か月間にわたり、業務による心理的負荷が特に高かったと認められること。

企業はこれらの基準を理解し、労働者が心身の健康を保てるような職場環境を整備することが重要です。

弁護士に相談するメリット

労働問題や労災に関するトラブルは、企業の信用を大きく損なう恐れがあるため、専門家に早期に相談することが重要です。

  • 専門的なアドバイス: 弁護士法人長瀬総合法律事務所では、企業の業種や実情に応じた適切なアドバイスを提供します。
  • リスクの軽減: 労基署からの調査や指導に備えた事前対策を講じることで、企業のリスクを最小限に抑えることが可能です。
  • 迅速な対応: 万が一、労災が発生した場合も、迅速な対応により被害を最小限に抑え、企業イメージの回復を図ります。

まとめ

長時間労働が原因での過労死や健康障害は、企業にとって重大なリスクとなります。労基署の対応や法的責任について理解し、事前の対策を講じることが重要です。また、弁護士法人長瀬総合法律事務所の専門家に相談することで、効果的なリスク管理が可能となります。

動画のご紹介

労災でお悩みの方に向けて、労災に関する解説動画を公開しています。ぜひご視聴ください。

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この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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