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労災の聞き取り調査における留意点

はじめに

労災の聞き取り調査に対して不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では、労災の聞き取り調査がどのような流れで行われるのか、どのような点に注意すべきかについて、弁護士法人長瀬総合法律事務所が解説します。労災に関する調査は、従業員や企業にとって重要な手続きです。これを正しく理解し、適切に対応することが大切です。

Q&A形式で解説

Q1. 労災の聞き取り調査とはどのようなものですか?

A1. 労災の聞き取り調査とは、労災保険の請求が労働基準監督署に提出された後に、労働基準監督署が実態調査のために従業員や会社へ事情聴取を行うことを指します。これは、労災認定すべきかどうかを判断するために必要な手続きであり、関係者への聞き取り調査が行われることもあります。

Q2. 労災の聞き取り調査ではどのような内容を聞かれますか?

A2. 聞き取り調査では、労災認定の根拠となる事故の事実関係や業務との関連性について確認されます。具体的には、事故が発生した日時、原因、経緯、業務との関連性、提出書類における不明確な点などが聞かれます。通勤災害やメンタル不調(うつ病)などのケースでは、寄り道の有無や業務過多、職場の人間関係といった点についても詳しく調査されることがあります。

Q3. 労災の聞き取り調査はどのような流れで行われるのでしょうか?

A3. 労災の聞き取り調査の流れは以下の通りです。

  1. 労働基準監督署から会社に資料提出要請が届く
    労災申請が提出された後、しばらくしてから「使用者報告書」や会社の基礎情報、勤務状況に関する資料などの提出要請が届きます。
  2. 資料提出
    会社は、指定された資料を収集し、期限内に労働基準監督署に提出します。
  3. 使用者報告書の作成および提出
    使用者報告書では、会社の概要や被災した従業員の状況などを記載し、労災認定判断の参考となります。
  4. 労基署による聞き取り調査
    書面審査では不明瞭な点について、従業員や関係者に対する聞き取り調査が行われます。
  5. 労基署の判断
    最終的に、労働基準監督署が労災認定を行うか否かを判断しますが、会社に直接通知されることはないため、被災した従業員に確認することが必要です。

Q4. 労災認定された場合の会社への影響はどのようなものですか?

A4. 労災認定がされると、以下のような影響があります。

  • 経済的影響
    労災保険料の値上がりや、従業員から損害賠償請求を受ける可能性が考えられます。
  • 信用リスク
    労災事件がマスコミで報道されると、会社のイメージダウンや客離れを招くおそれがあります。
  • 離職率の増加・採用難
    他の従業員が安全性への不安を覚え、離職する可能性が高まるだけでなく、新規採用にも支障を来す恐れがあります。

Q5. 労災の聞き取り調査に嘘をついた場合の罰則はありますか?

A5. 労災の聞き取り調査で虚偽の説明を行った場合、刑事罰の対象となる可能性があります。「6月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科されることがあり、特に悪質な場合には重い罰を受ける可能性がありますので、正直に対応することが求められます。

労災の聞き取り調査で会社が取るべき対応

労災の聞き取り調査に対する会社の対応には、以下の3つのポイントがあります。

  1. 事実関係についての社内調査の徹底
    社内での事実確認を徹底し、調査内容に基づいた正確な報告を行うことが大切です。
  2. 刑事事件や従業員からの損害賠償請求を見据えた対策
    労災認定にとどまらず、刑事責任や損害賠償の可能性も考慮し、慎重に対応を進めることが重要です。
  3. 一貫した対応
    誤解を生まないよう、事実に基づいた一貫した回答を心がけましょう。事実関係が確認できない点は、曖昧に回答したり、事実と異なる回答をしないようご留意ください。

弁護士に相談するメリット

労災の聞き取り調査は、会社の運命を左右する重要な手続きです。専門的な知識が求められるため、弁護士に相談することもご検討ください。

  1. 専門知識の提供
    労働法に精通した弁護士から、聞き取り調査の対応に必要な知識を得られます。
  2. 企業の法的リスクを軽減
    誤った対応を避け、刑事責任や損害賠償のリスクを軽減します。
  3. 調査への効果的な対応策を提案
    労働基準監督署とのやりとりを円滑に進め、調査結果において企業側が不利にならないように助言を行います。

まとめ

労災の聞き取り調査は、企業にとって避けて通れない手続きですが、対応を間違えると重大な経済的損失や社会的イメージの悪化を招くことがあります。そのため、早期に弁護士へ相談し、的確なアドバイスを得ることが重要です。

 

動画のご紹介

労災でお悩みの方に向けて、労災に関する解説動画を公開しています。ぜひご視聴ください。

【労働災害の動画のプレイリストはこちら】

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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