• 牛久本部029-875-6812
  • 日立支所0294-33-7494
  • 水戸支所029-291-4111
  • 守谷支所0297-38-5277

営業時間:午前9時〜午後6時(土日祝休)※電話以外のご予約は年中無休24時間受付

TOP 新着情報 労災申請における会社側の対応上の留意点

労災申請における会社側の対応上の留意点

労災申請における会社側の対応上の留意点

はじめに

労働災害が発生した際に、会社としてどのように対応すべきかは重要です。従業員の安全と健康を守ることは会社の義務であり、正確で誠実な対応が求められます。しかし、実際に労災申請があった場合、どのような手続きを踏むべきか、また、申請が正当かどうか判断するためには注意が必要です。

本ガイドでは、労災申請があったときの適切な会社の対応や注意点について、Q&A形式でわかりやすく説明します。

労災申請に関するQ&A

Q1: 労災申請があったとき、会社は必ず対応しなければなりませんか?

A1: はい、原則として対応が必要です。しかし、申請された事案が労災に該当するかどうかを慎重に調査する必要があります。労災事故であることが明らかな場合には、従業員の生活を守るために積極的に申請手続きをサポートすべきですが、怪我や病気が業務に直接関連しないと考えられる場合には、申請を拒否する選択肢もあります。その際は、なぜ申請を受け入れないかを丁寧に説明することが大切です。

Q2: 会社が労災申請を嫌がる理由は何ですか?

A2: いくつかの理由が考えられます。主なものは以下の通りです。

  1. 手続きの煩雑さ: 特に労災申請の手続きに不慣れな会社にとって、準備や手続きは負担が大きい場合があります。
  2. 保険料の上昇を懸念: 労災保険の「メリット制」が適用されている会社では、保険料が上がる可能性があります。
  3. 事故を労災と認めたくない: 会社が業務との関連性に疑問を感じる場合、労災として認めない選択肢を取ることもあります。

Q3: 労災申請を拒否された場合、従業員はどうすればよいですか?

A3: 従業員は、会社の事業者証明がなくても自ら労働基準監督署に労災申請を行うことができます。会社が証明を拒否した場合、その理由を明確に説明する書類を労働基準監督署に提出することが求められます。監督署はその後、会社に事実関係を照会し、対応を求めます。

Q4: 労災申請が受理された場合、会社にはどのような影響がありますか?

A4: 労災が認定されると、従業員から損害賠償請求を受ける可能性があります。特に重大な事故の場合、慰謝料や逸失利益など労災保険ではカバーされない部分が賠償の対象となるため、会社は多額の賠償を負う可能性があります。また、労災が認定されると、労働基準法に基づき解雇制限が発生し、一定期間従業員を解雇することができなくなります。

Q5: 労災申請において会社が注意すべき点は何ですか?

A5: 労災申請に関する書類には、会社が事故の発生原因や経緯について事実を記載する欄があります。ここに誤った情報を記載してしまうと、後に会社に不利な証拠となりかねません。従業員の言い分をそのまま反映せず、事実をしっかりと調査し、正確な情報を記載することが重要です。

労災に対する会社の法的義務

1. 労災保険請求手続の助力義務

従業員が労災事故に遭遇し、自ら申請手続きを行うことが困難な場合、会社はその手続きをサポートする義務があります。多くの会社では、労災申請の窓口として機能し、従業員の申請手続きを代行します。

2. 会社が行うべき証明義務

労災申請書には、会社が記入・証明する必要がある事項が含まれます。これには、災害の原因、発生時刻、休業期間、賃金などが含まれ、従業員の主張する内容と会社が認識している事実が一致するかどうかを慎重に確認する必要があります。

労災申請の流れ

労災申請の基本的な手続きは以下の通りです。

  1. 労働災害の発生報告: 従業員が労働災害に遭った場合、すぐに会社に報告します。
  2. 労働基準監督署への報告: 従業員が4日以上休業する場合、会社は労働者死傷病報告を所轄の労働基準監督署に提出します。
  3. 調査と確認: 事故現場の状況確認、従業員や関係者からの聞き取り調査を行います。事故の原因を明らかにし、再発防止策を講じます。
  4. 申請書類の作成: 労災保険の請求書を作成し、必要な書類を集めます。会社が記載するべき欄については、正確な情報を基に記入します。
  5. 申請の提出: 完成した申請書類を労働基準監督署に提出します。
  6. 監督署による審査: 労働基準監督署は、提出された書類を基に労災認定の可否を判断します。

弁護士に相談するメリット

労災申請や労災に関する損害賠償請求を巡るトラブルは、会社にとって大きな負担となります。このような場合、専門知識を持つ弁護士に相談することで以下のようなメリットが得られます。

  1. 法的リスクの軽減: 労災が発生した際、法的に適切な対応を取ることで、後々のリスクを軽減できます。
  2. 迅速な問題解決: 早期の示談交渉や法的アドバイスにより、問題解決がスムーズに進みます。
  3. 適切な賠償額の算出: 損害賠償請求があった場合でも、弁護士が適切な損害額の算出を行い、過大な賠償を防ぎます。

まとめ

労災事故に遭った従業員の申請を正しく対応することは、会社にとっても重要な課題です。適切な対応をすることで、従業員の生活を守り、会社としての信頼性を維持することができます。労災申請に関するトラブルや不安がある場合には、労災に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

動画のご紹介

労災でお悩みの方に向けて、労災に関する解説動画を公開しています。ぜひご視聴ください。

【労働災害の動画のプレイリストはこちら】

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

労災事故による休業補償給付のポイント

労災申請のメリット・デメリットとは?

これは労災?賠償金も受け取れる?

まずは労災無料診断

労災無料診断はこちら

お電話での問い合わせはこちら

営業時間:午前9時〜午後6時(土日祝休)
※電話以外のご予約は年中無休24時間受付