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労災事故の慰謝料で悩んでいませんか?

Q&A

Q: 労災事故でケガをしたり、家族が亡くなってしまった場合、会社に慰謝料を請求できるのでしょうか?

A: 会社に安全配慮義務違反などの責任がある場合、被害者やご遺族は会社に対して慰謝料を請求することが可能です。ただし、労災事故に関する慰謝料にはいくつかの種類があり、その相場や計算方法は複雑です。このページでは、弁護士法人長瀬総合法律事務所が、労災事故における慰謝料の基本的な考え方から、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料まで、わかりやすく解説いたします。また、弁護士に相談するメリットや、どのようなポイントに注意すべきかについてもご案内します。

はじめに

本稿ではまず、労災事故における慰謝料の種類や相場を整理し、続いて、実際の請求においてよく問題となる点を解説します。また、「弁護士に相談するメリット」や「早めの相談が重要な理由」といったテーマにも言及し、具体的な行動につなげられるような情報をお伝えします。さらに、最後には動画による解説もご案内し、より深い理解のための情報提供を行います。

労災事故と慰謝料の基礎知識

労災事故とは、労働者が業務上の原因でケガを負ったり、病気になったり、場合によっては死亡してしまう事故を指します。労災事故が起きた場合、被災者や遺族は労災保険による補償を受けることができますが、同時に「会社側に法的な責任(安全配慮義務違反など)がある場合」には、会社に対して慰謝料を含む損害賠償請求を行うことが可能です。

慰謝料とは、精神的苦痛に対する金銭的な補償です。労災事故の場合、怪我による入院・通院の精神的苦痛、治療後も残る後遺障害による苦痛、さらに被災者が亡くなられた際のご遺族の精神的苦痛など、さまざまなケースが想定されます。しかし、慰謝料額は客観的な判断が難しいため、過去の判例や裁判所の基準が参考にされます。

ここからは、具体的な慰謝料の種類と相場について詳しく見ていきます。

労災事故で発生する3種類の慰謝料

労災事故における慰謝料は、大きく分けて以下の3種類があります。

  1. 入通院慰謝料
    労災事故で負傷し、実際に入院や通院をしたことによる精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。
  2. 後遺障害慰謝料
    治療が終了しても完全には回復せず、身体に後遺障害が残ってしまった場合に、その障害がもたらす精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。
  3. 死亡慰謝料
    残念ながら被災者が亡くなってしまった場合、ご遺族が被る精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。近親者にも一定額が認められる場合があります。

これらの慰謝料は、被害者の状況や事故の内容、後遺障害の程度などによって大きく変動します。以下で、各慰謝料を解説します。

入通院慰謝料の詳細と相場の考え方

入通院慰謝料とは

入通院慰謝料は、ケガの治療に伴う入院・通院期間に応じた精神的苦痛に対する賠償金です。一般的に、入院・通院の「期間」や「回数」をもとに金額が算定されます。算定にあたっては、裁判所が用いる基準(いわゆる「赤い本」)が参考にされることが多く、期間と回数が長くなるほど、相応に慰謝料額が増える傾向にあります。

算定のポイント

  • 入院期間と通院期間(または通院回数)を軸にして金額を定める。
  • 軽傷(捻挫や打撲など)の場合は、相場が下がることがあります。
  • 実通院日数を3.5倍して通院期間と比較し、短い方を基準にするなど、やや複雑な計算が行われることもあります。

たとえば、通院期間が1年あったとしても、実際に通院した日数が35日程度であれば、40×3.5=140日程度と換算します。そして、その日数を基準に見合う期間(約4.5ヶ月相当)で慰謝料額を算定する、といった計算法が用いられます。

入通院慰謝料増額の可能性は?

「会社の対応が不誠実だから慰謝料を増やせないか」「事故のせいでライフワークが奪われたから増額できないか」といった相談があることも事実です。基本的には、客観的基準である治療期間や回数により慰謝料を算定するため、個別の事情で大幅な増額が認められるケースは多くありません。ただし、会社の態度が極めて悪質な場合や、裁判になった場合などは、一定の増額が認められる可能性もゼロではありません。

こういった判断には専門的な知識が必要であるため、増額の可能性を探る際は弁護士への相談がおすすめです。

後遺障害慰謝料の基礎と等級ごとの目安

後遺障害慰謝料とは

後遺障害慰謝料は、事故後の治療を尽くしても残ってしまった後遺障害に対する精神的苦痛に対する慰謝料です。後遺障害が残れば、被災者は今後の生活や仕事など、さまざまな局面で支障が生じます。そのため、後遺障害の程度を示す「等級」に基づき、慰謝料の相場が定められています。

労働基準監督署に後遺障害認定請求を行い、等級が決定されると、その等級に応じて慰謝料額が大きく変わります。以下は一例(裁判所基準)であり、実際には個別事例による修正もあり得ます。

後遺障害慰謝料の相場例(参考)
  • 第1級:約2800万円
  • 第2級:約2370万円
  • 第3級:約1990万円
  • 第4級:約1670万円
  • 第5級:約1400万円
  • 第6級:約1180万円
  • 第7級:約1000万円
  • 第8級:約830万円
  • 第9級:約690万円
  • 第10級:約550万円
  • 第11級:約420万円
  • 第12級:約290万円
  • 第13級:約180万円
  • 第14級:約110万円

これらの金額はあくまで目安であり、個別の事情によって増減する場合もあります。また、後遺障害認定には適切な診断書作成が欠かせません。そのため、医師にどのような点を記載してもらうか事前に確認するためにも、弁護士のサポートが有用です。

死亡慰謝料の相場と近親者慰謝料の考え方

死亡慰謝料とは

万が一、労災事故により被災者が亡くなってしまった場合、ご遺族は死亡慰謝料を請求できます。死亡慰謝料は、被災者本人が被った苦痛や、ご遺族が失った家族を思う精神的苦痛に対する損害賠償金です。

死亡慰謝料の相場

被災者の立場(家族内での役割)や年齢、家庭環境、生活環境などを考慮して金額は変化しますが、裁判基準では概ね以下のような目安が示されています。

  • 一家の支柱の場合:約2800万円
  • 母親・配偶者の場合:約2500万円
  • その他の場合:約2000万~2500万円

また、ご遺族の中でも特に被災者と近しく同居していた場合など、個別の事情によっては、近親者固有の慰謝料として100万円~200万円程度が追加で認められるケースもあります。

死亡慰謝料は、入通院慰謝料や後遺障害慰謝料以上に判断が難しい側面があります。そのため、こうした事案では専門家である弁護士への相談を強くおすすめします。

会社側の対応と慰謝料増額の可能性

労災事故が発生した場合、会社側は必ずしも責任をすんなりと認めるわけではありません。会社が安全配慮義務違反を否定したり、事故原因について異論を唱えたりすることも少なくありません。さらに、会社の対応が不誠実な場合、被害者側は精神的ストレスをより強く感じることがあります。

前述したように、基本的な慰謝料算定は客観的な基準に従いますが、あまりにも悪質な対応や悪意をもって被害者に接したと判断される場合、裁判所が増額を認める可能性は否定できません。

そのため、もし会社の対応に不信感を持ったり、交渉が全く進展しなかったりする場合は、一度、弁護士に相談し、方針を見直すことを考えるべきです。

弁護士に相談するメリット

労災事故に関する問題は、多くの場合、専門的な知識を必要とします。特に、慰謝料や損害賠償は「過去の判例や法的基準」によって判断されるため、一般の方が独力で適正な金額を導くのは困難です。ここでは、弁護士に相談することで得られる主なメリットを整理します。

適正な慰謝料・損害賠償額の算定

弁護士は過去の裁判例や判例集、裁判所が用いる基準などを知悉しています。そのため、あなたのケースに合った的確な金額の算定を行い、過小な金額で和解してしまうリスクを軽減できます。

証拠収集・立証活動のサポート

会社に責任があることを立証するためには、業務内容や安全管理状況、事故原因に関する客観的な証拠が必要です。弁護士はこうした証拠の整理・収集に関するノウハウを持ち、適切な立証戦略を立てることができます。

交渉の一元化とストレス軽減

被害者自身が会社や保険会社と直接やり取りするのは精神的にも負担が大きく、交渉が難航することもあります。弁護士が代理人として前面に立つことで、交渉窓口を一本化し、被害者は治療や生活再建に専念することができます。

後遺障害認定手続きへの対応

適切な後遺障害等級の認定を受けるためには、医師に提出する診断書の内容が重要です。弁護士は医師への依頼ポイントをアドバイスし、後遺障害認定を有利に進める手助けができます。

心理的安心感

法律や保険制度に関する知識不足は、被害者にとって大きな不安材料です。弁護士に相談することで、法的視点からのアドバイスを得られ、不透明だった問題が明確になり、精神的な安心感を得ることができます。

こうしたメリットを踏まえ、労災事故でお悩みの場合は、ぜひ弁護士への相談を検討してください。

早めに相談すべき理由

労災事故の対応は、時間との勝負になることが少なくありません。会社側が責任を否定するケースや、労災保険手続き自体が複雑になるケースもあり、後回しにすると必要な証拠が散逸してしまうことも考えられます。さらに、逸失利益や将来介護費など、後々大きく影響する損害項目についても、計算が複雑であり、早期の準備が求められます。

また、労災事故被害者は、身体的・精神的苦痛の中で、日常生活を維持しながら手続きを進めなければなりません。そのため、専門家である弁護士に早期相談することで、より適切な戦略を立て、証拠を確保し、スムーズな解決を目指すことができます。

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、電話・メール・LINEで相談予約を受け付けています。初回相談は無料ですので、迷ったらまずはお気軽にご連絡ください。

まとめ

ここまで、労災事故における入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の基本的な考え方や相場、会社の対応が慰謝料額に与える影響、そして弁護士に相談するメリットや早期相談の重要性について解説してきました。

慰謝料は単なる「お金」ではなく、被害者が事故によって被った精神的な苦痛を少しでも補うための手段です。そして、その適正額を得るためには、法的知識や手続き、証拠収集のノウハウが欠かせません。一般の方が独力で適正な額に到達するのは難しく、結果的に正当な権利が十分に行使されない可能性もあります。

もし労災事故でお悩みであれば、まずは専門家である弁護士へ相談し、ご自身が置かれた状況を客観的に把握することから始めてみてください。弁護士法人長瀬総合法律事務所では無料相談も行っておりますので、ぜひご活用ください。

動画のご紹介

労災でお悩みの方に向けて、労災に関する解説動画を公開しています。ぜひご視聴ください。

【労働災害の動画のプレイリストはこちら】

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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